「アラビアの真珠」は何処へ行った

「アラビアの真珠」とはモカマタリのこと。京都の老舗コーヒー店がモカブレンドに命名。このコーヒーはアラビア半島にあるイエメンの「モカ」港からヨーロッパに向け輸出されたことからモカの名前が生まれました。対岸のコーヒー原産地のエチオピアの豆も同じ港からの搬出で同様の名称で呼ばれています。
この所、モカマタリが飲みたくても手に入りにくい。最寄りの焙煎コーヒー店のマスターによると「内戦と聞いている。でもイランやサウジが手を突っ込んで、あの過激派のアルシャリーアもからんでるらしい。自力で何とかできるといいけど、難しいらしい」とのこと。どうやらイエメンではゆっくり農園でコーヒー栽培ができる状況ではないと想像されます。そのためモカマタリが相当に品薄ということです。ところがモカマタリは手に入りにくくても、その高級ブランドのアールマッカは不思議に流通していて割高ながらも入手が可能です。
  日本人から見るとコーヒーは魅力的な嗜好品。でも生産国の人々にとっては自分たちの食べ物よりコーヒー栽培が優先されプランテーションや奴隷労働の苦い歴史があります。















ときどき訪れるのが京都府旧資料館の東隣のコーヒー専門店「あおいコーヒー」。
 ここはウガンダに東ティモールの豆を揃えています。ウガンダは今でもロブスタ種が山中に自生しているもう一つのコーヒー原産地。豆は大きくアラビカ種とロブスタ種に大別。前者が作付けに対し収穫は多くはなく、カフェ、等で一般に供される香り高く美味とされるもの。後者は作付けに対し収量が多く安価で苦味が強く缶コーヒーなどにブレンドされます。
 ウガンダの豆はマウントエルゴン カプチョア農家のもの。ウガンダの豆を取り上げたのはこの国も隣国ルアンダと並んで内戦で大変な時期を乗り越えてきたことにあります。
 東ティモールは長い道のりを経て2002年にインドネシアから独立。豆はブルーマウンテンNo.1と同じティピカ。レテフォホ コウララ村。アジアには珍しい洗練された香りと風味。この国の豆はフェアートレードと言って、大手のコーヒー資本が現地のコーヒー豆を安価に買いたたくことなく適正価格で販売流通されています。そう聞くと応援したくなりますね。
  そんなこころざしのある「あおいコーヒー」さんが3月いっぱいで閉店されると聞いてオーナーの了解を得てブログにアップさせて頂きました。
  店の名前がマニマニだった頃「お客さん、来週ケニアのレッドマウンテンが特別に入ります。お好きだと言っておられましたよね。数量が少ないのでよかたら、早めにきてください」当時の店長の言葉がなつかしい。








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